個人ゲーム制作者が物語ゲーを作って気付いた事
どうもYnek0です。
現在RPGツクールMZでゲーム制作をしている個人ゲーム制作者です。
未だゲーム未完の人間がこのタイトルで話すのは正直恐れ多いのですが、制作の最中に気付いた事を備忘録的に書かせてもらおうと思います。
同じく個人でゲームを作っている方、これから作ろうとしている方の参考になれば幸いです。
目次
1. 物語ゲーは最初から作るな、最初に最後を作れ。
まずはこれです。
「虚構」の制作初期、最初の構想は「物々交換していってNPC皆の反応が楽しいよね~」という感じで、冒頭からフルスロットルで作り始めました。
これが罠です。
この後、Ynek0氏は滅茶苦茶頑張って作り込みますが、3日目辺りでネタが尽きます。それ以降どうやって進めば良いか分からず右往左往することになります。
さて、どうすれば良かったのでしょうか?
ランニングで例えます。
ダイエットの為にランニングを始めたいと思いました。毎日3キロくらい走ります。スタート地点から3キロ先には駅前があり、そこがゴールです。
なんとなく分かりますか?
ゲーム制作で最初に必要なのはゴールなんです。
どこを目指してゲームを作ればいいのか。それをまず設定しないといけない。
物語ゲーであれば、まず最後を作ってあげて、そこに向けて物語を組み立てていくのが良いかと思います。
この「終わりから作る」方法の一番の効果は、余裕の持ちようが段違いになるという点です。
終わりを作ったのだから、いつでも終わらせることが可能なんです。自分がそろそろ終わりにしたいなと思ったら、それなりの理由を付けてエンディングに引っ張れば良い。その手札があるというだけで、精神的な余裕がまるで違います。
ゴールの見えないマラソンほど辛いものはありません。逆に言えば、ゴールさえあれば走り続けられるんです。
2. 最初から装飾に力を入れるな。
つぎにこちら。
最初から装飾込みで実装するのはやめた方がいいです。
とりあえず仮置きで、あとから簡単に差し替えられる仕組みだけ作っておいて、遊びの根幹やインフラ機能を先に固める。装飾はそれからでも全然遅くありません。
最初から装飾込みで実装すると、作業量に対して進捗が著しく下がります。 そしてその落差に絶望し、エターナルフォースブリザードを唱えてしまうことになりかねません。
正直、装飾って楽しいんですよね。テンション上がりますし。
だからこそ、モチベーションが低下気味な時のスパイスとして取っておく。少しずつ装飾を入れていくことでモチベを回復させる。そういう使い方が賢いです。
装飾は「ご褒美」にとっておきましょう。
3. 設計・設定は大事。
設計
設計、特にインフラ部分は非常に大事です。
RPGツクールMZでは基本的なボタン入力処理はツクール側で用意されていますが、追加で独自機能を持たせようとすると、独自の設計が必要になってきます。
- このゲームではどのような機能を持たせるのか?
- 特定の機能が動作しているとき、各ボタンはどのような役割を果たすのか?
- 画面遷移のフローはどうなっているか?
こういった設計を先に整理しておかないと、後から機能同士が衝突して大幅な手戻りが発生します。
設定
自分は物語ゲーを作っているので、設定の作り込みも重要な工程です。
キャラクターの容姿、過去に何があって現在の性格に至ったのか。世界はどのような構造で、どんな生物がいて、どんな歴史があるのか。こうした設定資料を事前に整理しておきます。
これがあるとキャラクター同士の掛け合いやNPCとの会話に深みが出てきます。 逆にこれがないと、キャラクターの言動がブレて違和感のある物語になってしまいます。
設定資料は面倒でも作っておくと、後の自分を確実に助けてくれます。
4. 0→1作業と単純作業は分ける。
意外とバカにできないのがこの切り分けです。
例えば「NPCとの会話内容を考える作業」と「それをツクールに実装する作業」。これらを同時にやると、なんだか異様に疲れる割りに進捗は乏しいです。
しかし、会話内容をエクセルに書く作業だけに絞ったら? 結構進むんですよね、これが。
「虚構」は独自会話ウィンドウを採用していて実装の手数が多く、加えてNPCとの物々交換会話が大量にあります。会話内容を考えながら実装まで一気にやると、1日1つのイベント生成くらいで億劫になり、イヤイヤしながら進めていました。
しかしこの方式、つまりクリエイティブ作業と実装作業を分離する方式を取り入れてからは、1日4個くらい書けるようになりました。 それでもまだ余裕があり、やはり分けて正解という結果になりました。
0を1にするクリエイティブ作業は、それ専用の時間を確保する。実装は実装で別枠の時間を設ける。自分の場合は土曜日を「単純作業デー」にして、平日に書き溜めた内容を一気に実装するようにしました。
脳の使い方が違う作業を混ぜない。 これだけで生産性が劇的に変わります。
5. 完成の定義を決めておく。
これは1の「最後を先に作れ」と似ていますが、もう少しメタな話です。
個人制作は終わりがありません。「もうちょっとここを直したい」「この演出を足したい」と際限なく手を入れ続けてしまいます。
だからこそ、「ここまでできたら完成」というラインを最初に決めておくことが大事です。
- メインストーリーが最後まで通る
- エンディングが最低1つ見られる
- ゲームが強制終了せずにプレイできる
最低限これだけ満たせばリリースしていい、というハードルを自分で決めてしまう。
装飾もサブイベントも、完成ラインを超えてからの「おかわり」として追加すればいい。
完璧を目指すと永遠に完成しません。「完成」は品質ではなく、自分で引いたラインです。
6. テストプレイは他人にやってもらえ。
自分で作ったゲームを自分でテストプレイしても、気付ける事には限界があります。
制作者は「正しい操作手順」を知っているので、無意識にその通りに操作してしまう。しかしプレイヤーは想定外の行動を平気でやります。
- 話しかける順番が想定と違う
- 想定していない場所を調べる
- そもそも何をすればいいか分からず詰まる
こういった問題は、自分では絶対に気付けません。
完璧に仕上げてから見せるのではなく、ある程度形になった段階で誰かに触ってもらう。 恥ずかしいですが、早い段階で第三者の目を入れることでクオリティは確実に上がります。
7. 記録を残す習慣をつけろ。
個人制作は期間が長くなります。1ヶ月前に自分が何を考えてその実装をしたのか、驚くほど忘れます。
- 「なんでこのイベントこういう処理にしたんだっけ?」
- 「この変数何に使ってるんだ?」
- 「この仕様、意図的にこうしたのかバグなのか分からない……」
こうなると調査だけで時間が溶けます。
作業ログ、設計メモ、変数の用途一覧——形式は何でもいいので、未来の自分への申し送りを残す癖をつけましょう。
自分の場合はGitで設定資料を管理するようにしました。
変更履歴が残るので「いつ・何を・なぜ変えたか」が追えるようになり、格段に楽になりました。
まとめ
- 最後から作れ。 ゴールがあれば走れる。
- 装飾は後回し。 ご褒美にとっておけ。
- 設計・設定は先に整理。 後の自分を助ける投資。
- クリエイティブと作業を分離。 脳の切り替えコストを舐めるな。
- 完成ラインを先に引け。 完璧は完成の敵。
- 他人にテストしてもらえ。 自分の目には限界がある。
- 記録を残せ。 未来の自分は他人と同じ。
どれも当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実際に手を動かしていると案外忘れてしまうものです。
偉そうに書きましたが、自分もまだゲーム完成していません。
だからこそ、同じ沼にハマっている仲間に届けばいいなと思って書きました。
お互い頑張りましょう。それでは。
